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2017/11/15

【宮崎隆睦「リバップ」インタビュー】 第三回「貞夫さんの本はなぜ全部 in Cで表記されているのか」

ATNではこれまで渡辺貞夫さんのアルバムに収録されたオリジナル作品を中心に楽譜化し出版してきました。「カムトゥディ」(2011年)以降は、ヴェテランサックス奏者・宮崎隆睦(たかひろ)さんにトランスクライブ(いわゆる「耳コピ」)をお願いしています。最新刊「リバップ」にまつわる裏話、第三回目です。以下は宮崎さんのコメントを編集部でまとめたものです。

ぼくの場合は期せずして絶対音感が身についてしまったのですが、もちろん始めた当時の吹奏楽部のサックスではほかにそういう人は皆無でした。プロでは…どうなのかな。ともかく、ぼくにとって「楽譜」は、単なる記号のようにしか思えなくなったんですね。そのおかげでジャズの現場では有利でした。高校一年からライヴハウスでプロと一緒に演奏させてもらっていたんですが、リードシートを読む際に苦労せずすみましたから(笑)

貞夫さんのシリーズが全編で「in C」表記をしているのは、貞夫さんご自身が「サックスにこだわらず、いろんな楽器で楽しんでほしい」という思いを抱いているからだとお聞きしました。それは、とてもよくわかる気がします。

たしかにアルトサックスでこの譜面を吹こうとすると、書き直したり、読み替えたりする手間がかかりますよね。それに、パッと見た感じが低い音域になってしまうからちょっと吹きにくい感じがしてしまう。アルト音域だから当然なんですが「なんでC表記なの?!」、「最初からE♭表記にしてくれればいいのに!」という不満が出てくるのは当然、という気もします。

ただ、ぼくなりに考えてみると、手を動かして書き直す作業って実はとても勉強になることなんです。耳コピとはまた違った意味で、読譜力の訓練になるといってもいいほどです。だから、なれないと最初はちょっと大変に感じるかもしれませんが、ぜひご自分の手で書き直してみてほしいです。そのことによって、音楽の細かい部分まで手にとるようにイメージできるようになるはずです。手を動かして書くのが大変なら、せめてあたまのなかで移調して読み替える練習をしてみてください。演奏活動の実際面ではとても役に立ちます。

ぼく自身、最初の頃は理論よりコピーばかりしていました。サックスうまくなるためにはコピーが一番いいと聞きましたから、貞夫さんの《オレンジエクスプレス》(編集部注:同曲は「ベスト・アルバム」に収録されています)などめちゃくちゃいっぱいコピーしたんです。だから高校時代からやっていることはかわらない(笑)。不思議なご縁だなあと思っています。


…というわけで、次回はいよいよ「リバップ」の裏側を語りつくしてもらいます!乞うご期待(編集部)