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2017/11/29

【宮崎隆睦「リバップ」インタビュー】 最終回 「ナベサダ流バラード」について

ATNではこれまで渡辺貞夫さんのアルバムに収録されたオリジナル作品をすべて楽譜化し出版してきました。「カムトゥディ」(2011年)以降は、ヴェテランサックス奏者・宮崎隆睦(たかひろ)さんにトランスクライブ(いわゆる「耳コピ」)をお願いしています。最新刊「リバップ
で宮崎さんがもっとも苦労したのは、バラードだというお話の続きです。以下は宮崎さんのコメントを編集部でまとめたものです。



<徹底して歌にこだわるメロディメーカーの真骨頂>

渡辺貞夫さんの作品は、サックスを勉強し始めたころからトランスクライブを続けてきたので自分なりに理解しているつもりですが、技術的にバリバリとアドリブを展開するタイプではなく、徹底して歌心にこだわる卓越したメロディメーカーだと思っているんです。

だから、トランスクライブする際に一番難しいのが、歌い上げた結果、メロディラインが小節線を微妙なかたちでまたいでしまようなとき。ゆっくりしたバラードで、よくそういう「事件」が起きるのです。


<貞夫さんの気持ちを思いながらトランスクライブした結果です>

そういうときぼくは、「貞夫さんはたぶんこういう感じで吹きたかったんじゃないかな」と思いながら、形にしていきます。収録されたままを厳格に書き写すと、逆に読みにくい譜面になるだけで…なので、ぼく流にクォンタイズしてしまうことがあります。もちろん出版されるまでに貞夫さんご本人に全部チェックしてもらってOKいただいているので、大丈夫です。今までにその部分で修正をいただいたことはありません。

だから、テンポがゆっくりしているからといってアマチュアがかたちだけ真似してもなかなか様にならない…という難しさがありますね、貞夫さんのバラードには。

<アマチュアは、この曲から始めよう>

じゃあ、どういうものがいいか、ですか?
むしろアマチュアが挑戦するならテンポ感がはっきりしているものがいいでしょうね。本作の中では《リトル・ウィンド》とか《ギヴ・ミー・ア・キュー》などは入りやすいのではないでしょうか?

今回の《ノット・ビフォア・ロング》がショパン《プレリュード第四番》に似ている部分があったり、前作でもボサノヴァの名曲《思いあふれて》を思わせる楽曲があったりして、マニアのあいだで話題になることが多いようですが、貞夫さんクラスになると、メロディを紡ぐうちに自然になにかと似たものができてしまっても、気にされないような気がします。天衣無縫な天賦のメロディメーカーである貞夫さんは、なにかに似たフレーズが出てきても、それらを含めて最終的には貞夫さん独自の世界を構築してしまう。そこが貞夫さんらしさだと思うんです。(終了)

宮崎さん、ありがとうございました!(編集部)