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NY在住の常盤武彦氏による、スペシャル・フォト・エッセイ N.Y.ジャズ見聞録

2013/07/12

Miles & Gil’s Music Lives! – ギル・エヴァンス・プロジェクト by ライアン・ツルースデル

ライアン・ツルースデル率いるギル・エヴァンス・プロジェクト
Miles & Gil’s Music Lives!
Ryan Truesdell and the Gil Evans Project.
“Miles Ahead” & “Porgy & Bess” Featuring Greg Gisbert
on May 19th @ Jazz Standard NYC
ギル・エヴァンス&マイルス・デイヴィス サウンドの真実 1957-1962
  先頃ATNから発売されたスティーヴ・ラジョイによる「ギル・エヴァンス&マイルス・デイヴィス
サウンドの真実 1957-1962
」は長い間、翻訳が待ち望まれていた一冊である。マイルス・デイヴィス(tp)と、ギル・エヴァンス(p,kb,arr)のジャズ・ヒストリーに燦然と輝くコラボレーション大作、「マイルス・アヘッド」、「ポギーとベス」、「スケッチ・オブ・スペイン」、「アット・カーネギー・ホール」、「クワイエット・ナイト」の歴史背景を分析し、“Blues for Pablo”、“New Rhumba”、“Bess, You is My Woman Now”、“Will o’ the Wisp”の、すべてのパートの詳細なトランスクリスプション(採譜)を掲載した大著だ。
  演奏家のサイドでも、昨年ギル・エヴァンス生誕100年を記念してリリースされたアルバム“Centennial : Newly Discovered Works of Gil Evans”は、ライアン・ツルースデル(arr,conductor)率いる、ギル・エヴァンス・プロジェクト(ビッグバンド)が、ギル・エヴァンスの1940年代から1970年代初頭の未録音作品10曲を収録した大作である。2012年度のグラミー賞では、ベスト・ラージ・ジャズ・アンサンブル・アルバム、ベスト・インストゥルメンタル・アレンジメント、ベスト・アレンジメント・フィーチャリング・ヴォーカリストの3部門でノミネートされ、1947年にギル・エヴァンスがクロード・ソーンヒル(p)・オーケストラに書いた“How About You”の編曲で、ベスト・インストゥルメント・アレンジメントを受賞した。ギル・エヴァンスは没後25年にして、65年前の作品で初めてのグラミー賞のアレンジ部門での受賞の栄誉に輝いたのである。
ライアン・ツルースデル
Ryan Truesdell
ギル・エヴァンス・プロジェクト
ギル・エヴァンス・プロジェクト
  またジャズ・ジャーナリスト協会の、2012年のベスト・ラージ・アンサンブル、ベスト・アルバムにも、選出された。5月半ばのギル・エヴァンス101歳の誕生日の週にライアン・ツルースデルは、マンハッタンのマレイ・ヒルにあるジャズ・クラブ、”ジャズ・スタンダード”に、6日間出演。今年は日ごとに、ギル・エヴァンスの異なる時代の音楽を取り上げ、最終日の5月19日の夜、マイルス&ギルのコラボレーションの「マイルス・アヘッド」の全曲と、「ポギーとベス」の一部を、初めてオリジナル・スコアに基づいて再現した。
  マイルス&ギルの1957年~1962年のコラボレーション諸作のオリジナル・スコアは、長い間失われたと言われていた。しかし1995年に、91年に亡くなったマイルス・デイヴィスの遺産を管理していた顧問弁護士が、倉庫の中から楽譜の入った箱を発見。専門家の調査の結果、1949年から50年にかけて録音された「クールの誕生」と、コロンビア・レコード時代の「マイルス・アヘッド」、「ポギーと・ベス」、「スケッチ・オブ・スペイン」のフル・スコアが発見された。後に「クールの誕生」は、米ハル・レナードから出版されるが、3部作の譜面は、厳重な管理下に置かれ、アクセスが困難な状況で今日に至っている。今まで、クインシー・ジョーンズ(arr,cond)や、マリア・シュナイダーらが挑んできたマイルス&ギルの再現コンサートは、すべてトランスクリプションに基づいている。
ライアン・ツルースデル
Ryan Truesdell (Conductor, Leader)
  ライアン・ツルースデルは、高校時代にギル・エヴァンスの音楽に衝撃を受けて以来、大学時代、大学院時代、エヴァンスのトランスクリプトを解析してきたが、満足のいくものを得ることは難しかったという。2002年からプロダクション・アシスタントを務めている、ギル・エヴァンス最後の愛弟子、マリア・シュナイダー(arr,conductor)の紹介で、晩年のギル・エヴァンスと行動を共にしていた愛息のマイルス・エヴァンス(tp)、レコーディング・エンジニアのノア・エヴァンス、そして未亡人のアニータ・エヴァンスら知遇をえて、遂にオリジナルのスコアを目にするチャンスに恵まれた。2010年に、故ギル・エヴァンスの書斎に3日間籠もり、およそ5,000枚の譜面をスキャンし、現在も解析を進めている。今回の「マイルス・アヘッド」と「ポギーとベス」のスコアも、その過程で発見された貴重な資料である。このリサーチから、ツルースデルは、2011年に、マリア・シュナイダー・オーケストラの主要メンバーからなるギル・エヴァンス・プロジェクトを立ち上げ、未録音作のレコーディング、ライヴ活動を展開している。
  前年のギル・エヴァンス生誕100年に続く、ジャズ・スタンダード(クラブ)におけるライアン・ツルースデル&ギル・エヴァンス・プロジェクトのレジデント・ギグは、今年は6日間14セットで、34人のミュージシャンを起用し、70曲を演奏するという規模に拡大した。ニューヨーク・タイムス紙からも高い評価を得て、週末は、ソールドアウトが続く大盛況となる。この日はツルースデルを含めると20人編成、フレンチ・ホルン、チューバを含み、ウッド・ウィンドは全員、サックスだけではなく、クラリネット、フルート、アルト・フルートの持ち替えという、エヴァンスならではの構成だ。注目のマイルス・デイヴィス役には、ニューヨークの数々のビッグバンドで、素晴らしいソロで存在感をしめすグレッグ・ギスバート(tp)が就いた。
  ライアン・ツルースデルが腕を振り下ろすと、ルイス・ナッシュ(ds)とジェイ・アンダーソン(b)が刻む軽快なスウィング・リズムにのって、グレッグ・ギスバート(tp)がメロディをとる。「マイルス・アヘッド」の1曲目の“Springsville”から5曲目の“Miles Ahead”までが、一気に演奏された。ギスバートの哀愁を帯びたトーンに、アンサンブルが有機的に呼応する。2曲目の“The Maids of Cradz”は、アルバム“Centennial”の中で、エヴァンスがソーンヒル・オーケストラに編曲した1950年のヴァージョンを取り上げているが、7年の時を経て、サウンドは研ぎ澄まされている。すべて作曲家が異なるこの5曲を、エヴァンスは再作曲(リコンポーズ)して、組曲へと再構成している。マイルス・デイヴィスを、コロンビア・レコードに引き抜いた、プロデューサー、ジョージ・アヴァキアンによると、当時フランク・シナトラ(vo)の大ヒットで潤沢な資金があったコロンビア・レコードで、デイヴィスにどんな作品を創りたいかととうと、「クールの誕生」で共演したギル・エヴァンスの指揮による、一流のミュージシャンによるオーケストラ作品と、即答したそうである。当時の最高峰のプレイヤー達のコラボレーションが、鮮やかに再現されている。組曲の後は、スティーヴ・ラジョイの著書でも、詳細な分析がなされている“Blues for Pablo”が、現代ニューヨークのトップ・ミュージシャンの華麗なアンサンブルで甦った。珠玉の名作「マイルス・アヘッド」のオリジナル・スコアの全貌が明らかになり、ジャズ・スタンダードは静かな昂奮に包まれる。
  続いて演奏された「ポギーとベス」の一部には、残念ながらラジョイが分析した“Bess, You is My Woman Now”は演奏されなかったが、木管楽器が醸し出すストリングス・シンフォニーのような多重的なハーモニーなど、ギル・エヴァンスならではの尖鋭的な要素がリアルに体感できた。ブルース&ジャズに根ざしながら、ドビッシー、ラヴェルなどのフランス印象派の影響を受け、唯一無二のギル・エヴァンス・サウンドは、現代でも色褪せない輝きを放っている。ライアン・ツルースデルによると、エヴァンス・ファミリーの許可が出て、いよいよツルースデルが発見したスコアの出版がスタートするそうである。今後のさらなるギル・エヴァンス・ミュージックの全貌の解明が、期待される。
グレック・ギスバート
Greg Gisbert (Trumpet)
ルイス・ナッシュ
Lewis Nash (Drums)
ジェイ・アンダーソン
Jay Anderson (Bass)

Set List
Miles Ahead:
Springsville
The Duke
Miles Ahead
New Rhumba
Meaning of the Blues/Lament

Maids of Cadiz
My Ship
Blues for Pablo
Meaning of the Blues

  I Don’t Wanna Be Kissed (By Anyone but You)
   
Porgy & Bess:
Gone
Prayer (Oh Doctor Jesus)
There’s a Boat That’s Leaving Soon For New York
Personel Conductor: Ryan Truesdell
Woodwinds: Steve Wilson, Dave Pietro,
Brian Landrus, Tom Christensen
French Horns: Adam Unsworth, David Peel
Trumpets: Augie Haas, Greg Gisbert, Laurie Frink,
Garrett Schmidt, Jonathan Heim, Nadje Noordhuis
Trombones: Ryan Keberle, Marshall Gilkes,
George Flynn, Nick Finzer
Tuba: Marcus Rojas
Rhythm: Jay Anderson, bass
Lewis Nash, drums

Dave Pietro (Woodwind)

Steve Wilson (Woodwind)


Tom Christensen (Woodwind)


Brian Landrus (Woodwind)

Augie Haas (Trumpet)

Adam Unsworth (French Horn)

David Peel (French Horn)

Laurie Frink (Trumpet)

Garrett Schmidt (Trumpet)

Marcus Rojas (Tuba)

Ryan Keberle (Trombone)
関連ウェブサイト

George Flynn (Trombone)

Marshall Gilkes (Trombone)

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