
ジョン・ライリー アート・オブ・バップ・ドラミング
定価4,104円(本体 3,800円+税)
著 : John Riley
翻訳 : 松山 修
監修 : 冨川 政嗣
日本にいながら本場NYのレッスンを!
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イージー・ジャズ・コンセプション クラリネット
著:Jim Snidero (ジム・スナイデロ)
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リズム・トレーニング
著:大久保 宙
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【日本語翻訳解説書付属】The Jazz Singer’s Handbook
著:Michele Weir(ミシェル・ウィアー)
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12キーで練習するジャズ・ライン
著:Steve Rawlins (スティーブ・ローリンズ)
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イージー・ジャズ・コンセプション テナー/ソプラノ・サックス
著:Jim Snidero (ジム・スナイデロ)
私が初めてJohnに会ったのは、私が学んでいたNew YorkのDrummers Collectiveのまだ学生だった頃です。この本が出版される4年前、1990年頃だったと思います。彼はJohn Scofield のバンドで演奏していた頃です。Johnは頻繁にDrummers Collectiveを訪れ、セミナーを開いていました。もちろん私はそのすべてに参加したわけで、おかげでJohnは私のことを(質問狂のひとりとして)すぐ覚えたそうです。以来Johnとは、良き友そして師匠と弟子としての付き合いをさせてもらっています。私の帰国後ほとんど会う機会が無くなりましたが、去年JohnがVanguard Orchestraで来日の際に、10年ぶりに会うことができました。その時Johnの開口一番は、「今何を練習してる?」でした。いきなりの質問に戸惑った私が「いや〜、今でもシングルとダブルを相変わらずやってます」と言ったら、「私もだよ」って笑ってました。Johnにとってはこれが”久しぶりの挨拶“なのです。と、同時に音楽家の生き方というものを再確認させられました。
そんなJohn Rileyの数多くの巨人たちとの共演経験や、彼自身の調査研究によるジャズ・ドラミングの学習方法の集大成の一つがこの1冊に集約されています。ジャズ・ミュージック、特にバップ時代のドラミングにスポットを当てた本書は、初心者から上級者まですべてのレベルのジャズを学習したいと思っているドラマーに最適です。
基本であるジャズのライド・パターンの紹介やその際注意しなければならないことなど、“何がスウィングさせるのか?”を理解するために、的確に解説されています。
本書で最初に紹介されているコンピング・エクササイズは、ジャズ・ドラマーが最初にもっとも時間を費やす練習のひとつです。よく生徒から「こんなにいろんな練習をシンコペーション・ブックでやったのに、実際音楽のどこで使うかよくわかりません」といった質問を受けることがあります。もっともです。パターンを叩けるだけでは、それをそのまま音楽に使えるとは限りません。その音楽について学習することが、練習と同じくらい大切なのです。本書のコンピング・エクササイズではこのことをわかりやすく解説した上に、これまでの教則本ではあまりなかった2小節フレーズでの練習をシンプルな音符から順に、複雑な音符のフレーズまで数多く時間をかけ学習できるようになっています。さらにそれらのフレーズをジャズのフォームの中でどのように使用していけばよいか、また誰のどのレコーディングを聴けばそれが明らかに理解できるかなどを解説、さらに付属のCDに収録されている64小節のベースだけによるウォーキングは、ライド・パターンやコンピングの練習には最適です。これは本当に良い練習で、今までにはなかった!
ソロに関するエクササイズでは単なるパターンやリックの紹介ではなく、何が音楽的ソロを創り上げるのかを解説、往年の偉大なドラマーたちのプレイやそのトランスクリプションを使って練習できます。
もちろんブラシに関してもスタンダードな奏法から、Elvin Jones , Ed Thigpen, Marty Morrrellなど彼らの個性豊かな奏法までを学習できます。
また、本書のハイライトの一つは付属のCDに収められたプレイ・アロングの曲です!参加ミュージシャンは、Bob Mintzer(テナー・サックス)、 Phil Markowitz(ピアノ)、James Genus(ベース)です。なんという豪華メンバー!もちろんJohnが演奏しているお手本トラックも収録してあります。
曲想もエクササイズとリンクしており、Medium SwingからFast、Ballad, 3/4など、各エクササイズを終えたあとはNYのトップ・ジャズメンとの競演を体感できるのです!
執筆者:冨川 政嗣
~冨川 政嗣 プロフィール~
ドラマー。1989年渡米、New Yorkの名門Drummers Collectiveで4年間学びその後同校の講師としてドラムを教えると共に2002年の帰国までNYにおいて様々なセッション、ライブコンサート、クリニック、などをおこなう。
そのジャンルはJazzだけには留まらずLatin,Brazilian,Free music,など幅広い。
現在、東京スクールオブミュージックとCanopusにおいて教鞭をとっている。 またアメリカ、ヨーロッパのテキストブックの翻訳も行う。
これまでに手がけた監修・翻訳本:
バークリー/ワールド・ジャズ・ドラミング、 100フェイマス・ファンク・ドラム・ビート、 考察と展望「ピーター・アースキン ドラム・パースペクティヴ」、 ファンク・ドラム強化メソッド「デヴィッド・ガリバルディ フューチャー・サウンド」、 アフロ・カリビアン・ピアノの探求「101モントゥーノ」 他(全てATN刊)