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BOOKS DATA -詳細データ-

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読譜と演奏力を身につける

ジャズ・ピアノ リズム練習&エチュード

定価3,300円(本体 3,000円+税)

著 : Fred Lipsius (フレッド・リップシアス / フレッド・リプシウス)
翻訳 : 愛川 篤人
監修 : 山口 紀子

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ジャズのリズムにノレない「クラシック癖抜けず」ピアニストに。ジャズ研やビッグバンドに入ったけど、どう練習すれば良いか分からないピアニストへの一冊目のテキストにも。リズムに特化した、楽しみながら学べるピアノ練習曲集。

ジャズピアノを学ぼうとすると、やらなければいけないことがたくさんあることに気づきます。コードネームの暗記、スケールの勉強、ヴォイシング(音の積み重ね方)の勉強、アドリブ・ソロを取るための音楽理論の勉強、ジャズらしいフレーズの習得、ジャズらしいアクセント・ニュアンスの習得、、、それらを必死になって片っ端からやって行くけれども、どうも、なんだか、上手にならない。そんな悩みをお持ちの方は多いと思います。

実はこういう時、私たちの頭からすっぽり抜けてしまっていることが1つあります。それは「リズム」のこと。私自身が学生時代に初めてジャズを学び始めた頃の状況、また、これまでレッスンさせていただいた100人以上の生徒さんの状況を見ていても、かなりの方が…特にピアニストは「リズム」のことを忘れがちです。

ピアニストがリズムのことを忘れがちな理由は、良く分かります。ジャズ・ピアノを始める方の多くがクラシック・ピアノ経験者。クラシック・ピアノのレッスンでは、何よりまず大事なことが譜面に書いてある音を間違えないことだったはず。その勉強法に慣れ親しみすぎているピアニスト達は、無意識のうちにジャズ・ピアノの勉強も同じ方法で進めようとしてしまうので、「書いてあるコードネームに沿った正しい音」を見つけ出すことにまず専念し、続いてそれを毎回正しく弾けるようにひたすら反復練習し..というサイクルにハマりこんでいきます。

ですが、そもそも皆さんがジャズ・ピアノに興味を持った理由はどんな理由だったでしょうか?ジャズが持つ、イキイキとしたリズム、思わず、イエイ!とリズムに合わせて手を叩きたくなるような躍動感に心を動かされて、この音楽をやってみたい!と思ったのではないでしょうか?

このイキイキとした躍動感あるリズムで、メロディや伴奏に命と歌を与えることができるかどうか、がジャズ・ピアノの醍醐味なのです。ロマンチックなバラード調の演奏中ですら、ジャズの場合、スリリングなリズムがたくさん出てきます。このことにきちんと注目して、「いいリズムで演奏できるようになる」ための練習を積まないことには、いつまで経ってもなんだか一味足りないような、魅力に欠ける演奏から抜け出せないのです。

そういった「リズムの大切さを忘れがちになってしまうメカニズムと、そうなってしまった後に、リズムについて一から教えることの難しさ」に悩んでいた頃、実はこの本を見つけたのです。即購入し、生徒さんに進める前に自分で数曲弾きこんでみたところ、何と自分自身の演奏が、リズミックで躍動感あるものにどんどん変わっていったので、以来この本は私がレッスンで生徒さんにオススメするNo.1教材になりました。数多くの生徒さんが、この本を使って短期間でジャズ独特のリズムの特徴をつかみ、気分よくそれを歌えるように…つまり、ピアノの鍵盤を通して歌えるようになっていきました。

この本の画期的なところは、ジャズでよく登場するリズムを厳選23パターン取り出し、それら1つ1つのリズムパターンに対し、そのパターンがいい感じで習得できてしまうような絶妙なエチュード(練習曲)を提示する、という形になっているところ。
実際、Etude1は Etude1のリズム Etude2は Etude2のリズム Etude5はEtude5のリズム というリズムを会得できるよう、エチュードが作られています。いずれも、ジャズの楽曲でよく見かけるリズムの形ですよね。これまでも、これらのリズムを会得するためのフレーズ集のような教則本はありましたが、この本が凄いところは、代表的なジャズ・リズムがさりげなーく曲の中に盛り込まれていて、エチュードを普通に、音楽としていい感じに仕上げていく過程で、これらのリズムの歌い方が自然に自分の身体と心に沁み込んでいくような仕組みになっているところなのです。

例えるならば、スポーツジムで毎日筋トレし続けるだけ…確かに筋肉は付きますが、だんだんに飽きてきますし、相当ストイックな人でないと続かないですよね。対してこの本のやり方は、毎ページごとに景色のきれいなコースを紹介されるようなものなのです。そのきれいなコースを、きれいさを楽しみながら何度も走っているうちに、だんだんに必要な筋肉が付いて来てしまうような設計に、この本はなっているわけです。(注:いいリズムで演奏をするためには、指だけでなく、腕や肩をどうリラックスさせるか、またどのように椅子に座るか、腰をどう落ち着かせるかなど身体全体のフォームやバランス、コントロール等が重要になってきます。短いフレーズを繰り返し反復練習するだけでは気づきにくい身体のバランスの取り方についても、エチュードを1曲まるまる演奏することで、自分で気づき、直していきやすくなります。)

ページを開くと、左肩のところにこのリズムの形がアイコンのような形で分かりやすく表示してあるので、「次はどのリズムを習得しちゃおうかな!」と楽しく学習が進められるところもオススメポイント。Etude8はサド・ジョーンズ(Thad Jones)という作曲家の曲でよく出てくるリズムパターンなので、サドの曲が好きな学生さんにはもれなく8番を練習するよう私は薦めています。そんな使い方も出来てしまうわけです。また、実は各エチュードは「All of me」「酒とバラの日々」など有名なジャズ・スタンダードのコード進行と同じ進行を使って作られているので、ヴォイシング(音の積み重ね方)のテキストとしても実は使えてしまうのも、嬉しい点です。頑張って練習してきたはずなのに、なぜだかジャズの楽しさが演奏からにじみ出てこない、という方は、是非この教則本にトライしてみてください!

最後に、この本を使って、ひとりで学習する際のアドバイスを載せておきます。

●最初はCDのお手本よりも遅いテンポから始めましょう。CDと一緒のテンポで出来るようになるには、通常とても時間がかかります。遅いテンポでもいいので、しっかりいいリズムで弾けることのほうが大切です。

●ジャズのリズムをいいリズムで演奏するためには、ピアノを「良いリズムで打つ」と考えることより「必要なところで脱力し、アクセントのついた音だけでなく、力の抜けたリラックスした音も出す」ことが重要です。それによって、ジャズらしい「メリハリ」が出来るのです。リズム感を良くしよう!と考えすぎて、鍵盤をばしばし叩いてしまうと逆効果なので気をつけてみてください。脱力、がポイントです。

●1はバランスのいい内容なので、最初の1曲に適しています。2は脱力の練習にもなり、身体の使い方を会得するために最適です。3は左手と右手のバランスを取るのにいい練習です。10は他の曲より長めで、自分なりに歌いこまないと曲としてよい仕上がりに聴こえません。なので、自分なりの表現を追求する練習もできます。5 / 7 / 14 / 15 はビッグバンドっぽい曲調で、ゴージャスなサウンドが楽しめます。他にも楽しい曲がたくさん入っていますので、まずCDで全曲聴いてみて、お気に入りの1曲からスタートするのもいいですよ!

執筆者:ジャズ・ピアニスト 宮嶋 みぎわ

~宮嶋 みぎわ プロフィール~
宮嶋 みぎわピアニスト・作曲家・編曲家。自身のオリジナル曲のみを演奏するビッグバンド
Miggy+ Jazz Orchestraを率いるビッグ・バンド・リーダーでもある。
(株)リクルートに7年以上に渡り勤務した経験があり集団論・プレゼンテーション等に詳しく、
独特の切り口で進められるクリニックやレッスンが人気。雑誌・メディアへの執筆も多数。
2010年よりアメリカNYで45年に渡り活動するグラミー賞受賞ビッグバンド
The Vanguard Jazz Orchestraの日本代理人となり、日米ジャズ文化の架け橋としても活躍、
副プロデューサーとして参加した同オーケストラのアルバム
「Forever Lasting Live in Tokyo」はグラミー賞にノミネートされた。
2012年9月より文化庁新進芸術家海外研修制度・平成24年度研修生として1年間NYへ留学予定。

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