
インサイド・ザ・スコア 日本語翻訳解説書付
定価9,180円(本体 8,500円+税)
著 : Rauburn Wright (ラウバーン・ライト)
翻訳 : 愛川 篤人
監修 : -
ジャズ・コンポジションとは… ジャズ・アレンジメントとは…
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イージー・ジャズ・コンセプション クラリネット
著:Jim Snidero (ジム・スナイデロ)
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リズム・トレーニング
著:大久保 宙
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【日本語翻訳解説書付属】The Jazz Singer’s Handbook
著:Michele Weir(ミシェル・ウィアー)
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12キーで練習するジャズ・ライン
著:Steve Rawlins (スティーブ・ローリンズ)
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イージー・ジャズ・コンセプション テナー/ソプラノ・サックス
著:Jim Snidero (ジム・スナイデロ)
興味があっても、どこからどう取りかかったらいいのか悩むところでしょう。
取りかかる以前に、あらかじめ必要な要素をあげてみると
などなど、ちゃんとやろうとするとそれなりに敷居が高めな感じですねえ・・・
でも、その分マスターできたときに得られる表現力の凄さといったら超強力です!あなたの好きな曲を書いて、好きなようにアレンジして、好きな編成で演奏/レコーディングする…結果的にあなたが理想とする音楽をゼロからクリエイトできるわけですからね!
この「Inside The Score」という本は、ビッグバンドのアレンジメントを(コンポジション的な要素も含めて)書けるようになるために役立つ世界的に有名な一冊であり、ビッグバンドならではのライティング・テクニックを具体例に基づいて徹底的に学べます。また、ビッグバンドに対応できるということは、クラシック以外のほとんどのアンサンブルに対応可能であると思われます。例えば、ファンク・バンドのホーン・セクション、ゴスペル・クワイアのハモリ、3ピース・ロックバンドでの効果的なサウンド創り、気のきいた歌モノの伴奏など、あなたのアイデアをアンサンブルの各楽器に振り分けるテクニックの基本はビッグバンドから学べます。
とはいえ、本当かよ!?と思うよねえ…具体的な効果はマスターした人にしか分からないかもしれません。その辺りが、毎回伝え方に悩むところでもあるんです…
もう少し具体的に説明すると、この本は、Sammy Nestico、Thad Jones、Bob Brookmeyer によるコンポジション/アレンジメント8曲を、フル・スコアと付属CDを基に徹底分析するという内容です。その分析を通して、ジャズ史を代表するライターである彼らのスコアに隠された真実や、素晴らしいサウンドの源となる要素を浮き彫りにしていきます。まさにタイトルを直訳した通り「スコアの中にあるもの」を教えてくれるんですね。もちろん掲載曲がすべて収録されたCDは超便利、というか聴くだけでも凄いクオリティです!
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まずは、取り上げているライターから。
カウント・ベイシー・サウンドの影の立役者。おそらく、Basieサウンドを最も理解していて、「Basieバンドならこうだろ」っていうコンポジション/アレンジメントを無限かつ即座にクリエイトする男!Basie(とEllington)がビッグバンド・サウンドの王道を築いたなら、Nesticoは直系の後継者とも言える。
Thad Jones (サド・ジョーンズ)
やはりBasieバンド出身者ではあるが、後にMel LewisとともにThad/Melバンドを結成。そのバンドは現在のVanguard Jazz Orchestraの前身でもあり、ジャズにおける最も豊かなハーモニー(=ビッグバンド)を創り続けてきた存在である。Nesticoとはまた異なるアプローチで、王道ビッグバンド・サウンドを進化させた。
Bob Brookmeyer (ボブ・ブルックマイヤー)
3人の中では最もモダンなスタイル。というか、現代的なコンポジション/アレンジメントを代表するアーティストの一人。もちろんビッグバンドの王道スタイルは熟知しているが、Gil Evans同様そこから先の未開の沃野を積極的に探究した。その作品群は知的で複雑ながら、ジャズに深く根差したサウンドである。
ざっと簡単にですが、このようなライターたちを取り上げています。さらに、それぞれ実に興味深いインタビューも掲載!
本の具体的な内容は、各曲ごとに
などを細かく分析していきます。もちろんフル・スコアを追いかけながら、付属CDを聴きながら。ダイナミクスその他を表記するグラフなども織り交ぜ、各ライティングの特徴が手に取るようにわかります。
掲載曲8曲はダテに選ばれている訳じゃありません。ライターの個性、ライティングの特徴的な違い、歴史的な違い、様々なライティング・テクニックなどを浮かび上がらせるための選曲となっています。
実はこの本、ビッグバンド・アレンジを目指すニューヨークやボストンの学生たちは、必ずといっていいほど持っています。アメリカではビッグバンド文化が深く根付いているので、他にもいろんなマテリアルが出ているんです。その中で、今でもこの本が選ばれる理由は、やはりその内容のよさでしょう。それなりにレベルは高いですが、本物であることは間違いありません。もちろん、今活躍中のプロ・ライターたちの多くも、通ってきた道です!
直輸入版(英語)ではありますが、日本語翻訳解説書(本の文章をすべて日本語訳したもの)が付属します。日本語版と同じように使えるので、英語版じゃ無理~…という方も、まったく心配いりません。日本語翻訳解説書が付属したものは、ATN 公式オンラインショップでのみの限定販売中。要チェックです!
執筆者:佐藤 研司
サクソフォン・プレイヤー、コンポーザー、アレンジャー、
リディアン・クロマティック・コンセプト公認講師。
バークリー音楽大学にて、ジョー・ヴィオラ、ジョージ・ガゾーンらに師事した後、
ジョージ・ラッセルのもとに学び、リディアン・クロマティック・コンセプトの公認講師資格を得る。
1998年に帰国以来、さまざまなシーンでパフォーマー、音楽講師として活動中。
トラディションは大事にするが、何でもありの自然派アーティストを目指し、
自作楽器での演奏なども行う。また、ATNの海外教則本、DVDなどの翻訳を担当。